NPO法人 福岡・翼の会
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  高次脳機能障害 について、少し詳しい説明です
  このページの内容は「脳の障害と向き合おう!」他の中島恵子先生のご著書や
  国立障害者リハビリテーションセンターHPの【高次脳機能障害支援普及事業】
  「第3章 高次脳機能障害標準的社会復帰・生活・介護支援プログラム」の
  「V 環境調整支援と生活・介護・家族支援」その他を参考に作成しております。
  尚、具体的な社会福祉関係の情報やリハビリについては、主治医や医療機関の
  ソーシャルワーカーの他に、地域の高次脳機能障害の支援拠点の専門家にも
  ご相談になられてはいかがでしょうか? 
  また、高次脳機能障害を理解するための関連図書などのご活用もお勧めいたします。
  高次脳機能障害を引き起こす様々な原因
  脳血管障害 
  【脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血、もやもや病など】
  頭部外傷
  交通事故、高所からの転落、滑落、転倒、スポーツ外傷などにより外傷性脳損傷を
  おこすことがあります。脳血管障害と比べて患者の年齢層が低いことや、脳の障害
  部位が広範囲なために障害も重複することが多く、症状も複雑です。
  【硬膜外出血、硬膜下出血、脳挫傷、脳内出血、びまん性軸索損傷など】
  その他
  脳炎、低酸素脳症(低酸素性虚血性脳症)、脳腫瘍、アルコール障害、神経疾患や
  膠原病など様々です。
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  高次脳機能障害 診断基準
 平成13年度に開始された厚生労働省の高次脳機能障害支援モデル事業により分析
 された結果、脳損傷後に身体の障害がなかったり、その程度が軽いにもかかわらず、
 記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などを主たる要因として、日常
 生活及び社会生活への適応に困難を有す状態があることが分かりました。そこで、
 診断やリハビリテーションの不備、それに社会資源サービスの基準になる障害者手帳の
 認定に該当しないケースを補うため、これまでの医学的・学術的定義としての高次
 脳機能障害とは別に、行政的な『高次脳機能障害 診断基準』ができました。
  
高次脳機能障害 診断基準
T 主要症状等
 脳の器質的病変の原因となる事故による受傷や疾病の発症の事実が確認され
 ている。
 現在、日常生活または社会生活に制約があり、その主たる原因が記憶障害、
 注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの認知障害である。
U 検査所見
MRI、CT、脳波などにより認知障害の原因と考えられる脳の器質的病変の
存在が確認されているか、あるいは診断書により脳の器質的病変が存在したと
確認できる。
V 除外項目
 脳の器質的病変に基づく認知障害のうち、身体障害として認定可能である
 症状を有するが上記主要症状(T-2)を欠く者は除外する。
 診断にあたり、受傷または発症以前から有する症状と検査所見は除外する。
 先天性疾患、周産期における脳損傷、発達障害、進行性疾患を原因とする者
 は除外する。
W 診断
 T〜Vをすべて満たした場合に高次脳機能障害と診断する。
 高次脳機能障害の診断は脳の器質的病変の原因となった外傷や疾病の急性期
 症状を脱した後において行う。
 神経心理学的検査の所見を参考にすることができる。
(国立障害者リハビリテーションセンター)  
      
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  障害の様々な症状
  障害を受ける前と比べて顕著になった症状で、他の人との比較ではありません。
  また、下記の症状が重複してみられることもよくあります。
  記 憶 障 害 
  記憶には、見たり聞いたりしたことを覚える「記銘力」と 思い出す「想起力」が
  あり、必要なことを記銘し必要なときに想起する双方が「記憶」には必要です。
  脳損傷の場合、昔のことを思い出す「想起力」より、今見た聞いたことを覚える
  「記銘力」が落ちてしまう人が多いようです。
  少し前のことが思い出せない
   ⇒約束を忘れたり、日時を間違えたり など日々の生活に差し支えが生じてくる
  新しいことを覚えるのが難しくなる
   ⇒仕事や勉学においても、新しいことを覚えることが難しくなる
   本人は記憶力が落ちているとの認識を持てないままの人も多く、以前の生活に
   すぐに戻れると思ってしまいます。
  注 意 障 害(集中力の低下、注意力の持続や切り替えの難しさ)
  周りの声や音にすぐ反応して気を取られてしまい、注意力が散漫になり、
   集中できない、落ち着かない
   ⇒簡単なミスや 不注意によるミスが多くなる
  見えているけど見ていない、聞こえているけど聞いていない
   ⇒周りに注意がいかず、他のことに気がまわらない
  ひとつのことへの集中はよいが、他への注意の切り替えがうまくいかない
   ⇒いくつかのことを同時にやろうとすると混乱してしまう
  遂 行 機 能 障 害(前頭葉の障害)
  だんどりや手順を考えて実行することができない
   ⇒優先順位が決められない、ひとつひとつ指示されないと行動に移せない
   ⇒何時にどこで‥を実行するときに、時間の見積り、交通手段の判断が難しい
  融通が利かない、行動の先読みができない
   ⇒生活上起こる様々な問題を解決していくのが困難になる
  社 会 的 行 動 障 害(行動と感情の障害)
  感情のコントロールに問題をきたし、状況に応じた行動がとれなくなる
   ⇒気分にムラが出て感情が不安定になる、イライラして感情を爆発させてしまう
   ⇒人の気持ちをうまく察することができない、対人関係がうまくいかない
   ⇒がまんできない、無制限にものを欲しがる、お金を持てば全部使ってしまう
   ⇒こだわりが強くなる、同じことを繰り返す
   ⇒子どもっぽい言動になる、すぐ人に頼ってしまう
  障害を受け止めきれず、意欲や発動性の低下に陥る
   ⇒疲れやすい、気力がない、元気がない、ひきこもりがちになる
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  地 誌 的 障 害(場所の認識の障害)
  よく知っている場所でも、自分がどこにいるか分からなくなり道に迷ったり、
  自宅や近所の地図が描けないなどの状態がみられる
  失 行 症(動作と行為の障害)
  手足は動かすことが出来、どのような行為を行うべきが認識しているのに、
  日常的な動作をうまく行うことができない
   ⇒例)「櫛」を認識しているのに、髪をうまくとかせない
  失 認 症
  ・視覚についての認知障害では‥ 
     目は見えているのに、色、物の形、物の用途や名称がわからない 
    ⇒例)よく知っているはずの人に会っても誰か分からないが、声を聞くとすぐに
      分かる(視覚の認知障害であり、聴覚では判断できる)
  ・聴覚や触覚についても同じような症状はみられる
  半 側 身 体 失 認
  麻痺がある側を自分の半身と認知していなかったり、麻痺を認めない
  また反対に、麻痺が軽いのに使わないという状態もみられる
  半 側 空 間 無 視  
  意識して見ている空間の片側を見落とす障害で、見ている視点の領域が
  移動すれば、見落とす部分もそれにつれて変わる
   ⇒例)食事では半分の料理には手をつけないまま
    ⇒例)通路で人やドアにぶつかる
  失 語 症
  話す、聞く、読む、書く等の障害で、他の人に意思を伝えたり、他の人が
  言ったことを理解したりすることが難しくなる
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  日常生活での問題
  性格の変化による問題
  ・気が散り疲れやすくなるため、我慢できずに大声を出したり感情的になったり
   逆に無関心になったりと、感情のコントロールが難しくなる
  ・こだわりが強くなることや その場の雰囲気にそぐわない言動などで
   家族や周りの人との人間関係がスムーズにいかなくなることがある
  行動上の問題 
  ・家庭で‥火の消し忘れや来客・電話の応対など、留守番のとき
  ・金銭面で‥無計画にお金をつかったり、無用心になり借金させられるなど
  ・外出で‥案内表示を見落とす、時間の見積もりが難しいなどで、交通機関を
       うまく利用できず、予定どおりに目的地に着けないなど
  ・人との応対で‥住所・氏名・電話番号などの記載に困る、テンポの速い話に
          ついていくのが難しいなど、人とのコミュニケーションに困る
  就労・就学(社会復帰)についての問題
  ・受障前のところに復帰を希望して実際に復帰しても、仕事にミスが多かったり
   授業についていけなかったりするなど、以前と違う状態が出てきても、本人や
   家族に障害に対する認識がないために、本人に無理が生じ、行き詰ってしまう
  ・外見からも分かりにくい為に、障害を知らない人からは誤解されやすく
   受け入れてもらい辛いので、就労・就学の進路が困難な状況になることが多い
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  認知リハビリテーション
  脳の損傷による障害のうち、目に見える身体機能障害には、運動療法・作業療法に
  よる「身体リハビリテーション」が確立されていますが、一方、目に見えない高次
  脳機能障害は、認知心理学を理解した療法士による「神経心理学的検査」によって
  どの部分が弱くなっているかを調べて、治療仮説による訓練プログラムを作成して
  回復のための「認知リハビリテーション」をすることが必要になります。
  しかし、そのように対応できる医療機関は全国でもまだわずかであり「認知リハ
  ビリテーションの訓練プログラム」は確立されていないのが現状のようです。
  今、NPO法人「日本脳外傷友の会」と厚労省では、全県に支援拠点を配置する予定
  で、そこを中心に「支援」とリハビリに向けて、体制を整えているところです。
 
  福祉センター、保健所、障害者センター、作業所などに相談に行き、困っている
  ことなどを担当者に聞いてもらい、アドバイスをもらいましょう。 
  また「家族会」に参加すると、同じような問題を抱えている他の家族のことも分か
  ります。それに患者同士・家族同士ならではの体験談や有益な情報も交換しあえ、
  心のつながりも持てますから、悩んで孤立せずに済み外に出る機会にもなります。
  私ども「福岡・翼の会」も家族会です。どうぞ一緒にご参加ください。
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